重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「姫は能ある鷹は爪を隠すと前に言いましたけど、別に出来ることを隠す必要なんかどこにもないんじゃないすか。優秀な頭脳を持っている身分のある方は、存分に役立てるべきっすよ。それに姫自身が心配しているほど、周囲はあまり姫のことを気にしてなかったりするもんすよ」

「私が、自意識過剰だってこと……?」

 正直に言えば、とても衝撃的な事実だ。私を気にしているのは私だけと言うのなら、そういうことになってしまう。

 私が衝撃を受けたことが伝わったのか、デュークは慌てて手を振っていた。

「いやいや。そうは言いません。言いませんけど、何も出来ない可愛いだけのお姫様より、いろんなことが出来る姫の方が、国民は多分好きっすよ。姫は城の中に居る、良くわからないプライドを持った権威主義のおっさん連中に、可愛い可愛い言われるだけの人形のような人生で良いって言うんなら、俺は何も言わないっすよ。けど、姫が望んでいる事は実は違うんじゃないすか」

 優しい目をしたデュークはまるで、私の心の中に書かれていた誰かに言って欲しいことを読んでいるかのようだ。

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