重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 ヘンドリック大臣からの仕事の内容を聞いたデュークは、彼にしては珍しいくらいに、わかりやすく顔を歪めていた。

 私だってヘンドリック大臣の持って来た話を聞いて、変な話だとは思った。

 だって、ダムギュア王国の一軍を初陣の新人騎士であったのに、一人で壊滅させてしまったのは、このデュークだったのだ。

 ユンカナン王国から見れば、デュークは英雄だ。けれど、敗戦することとなったダムギュア王国では……それこそ、とても憎まれているのではないの?

「……あちらはお前を名指しだ。もし、嫌だと言うのなら、他の者に変更して貰えるように取り計らって貰えるように使者には伝えよう」

 ヘンドリック大臣は、淡々と言葉を続けた。

 これは前にあったようなヘンドリック大臣からの嫌がらせであるとは、断定出来ない。

 今は友好関係にあるダムギュア王国とは、これから他国への同盟をしたアピールも兼ねた、共同戦闘訓練なども行なわれる予定がある。

 だから、有名な騎士団長デュークをあちらがわざわざ指名したとしても、不思議ではないのかもしれない。

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