重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「あ。はい。わかりました……まぁ、仕事だというなら。行きますけど」

 デュークは渋々ながらもそう了承したので、ヘンドリック大臣はあっさりと日時だけを告げて帰って行った。

 彼が出て言ってパタンと音を立てて扉が閉まると、私は待ちかねたようにしてデュークに言った。

「デューク、私も行くわ!」

 私の一緒に行く宣言を聞いて、デュークは心の中にある諦めの気持ちが湧き上がっているかのような大きなため息をついた。

「……陛下と王太子殿下が良いって言われるのであれば、それも良いんじゃないすかね……俺が何か言っても、姫は聞かないっすよね。大丈夫です。知っての通り、俺は無駄なことは一切したくない主義なんで」

 怠惰なデュークは今ここで私を止めることで起こる二人のやり取りと、それを経て私たちが出す結論までの展開を読み、ここでは何もしないことに決めたらしい。

「まあっ……私。デュークに嫌そうな顔で断られるの、結構好きなのよ。なんだか寂しい」

 ついこの間までの二人を思い出し、ふふっと微笑んだ私にデュークは複雑そうな表情を顔に浮かべた。

「マジっすか……流石の俺も、それにはドン引きました。姫って結構突拍子もないこと言うけど、嫌がるのを再現してくれって言うのは、変な趣味を疑われるんで、絶対止めてくださいよ……」

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