重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 エボニーとアイボリーの兄であるギュンター・ヴォルデマールは、王太子ラインハルトお兄様に重用されている有能で若き宰相候補だ。

 ギュンターへ伝われば、私のお兄様ラインハルトには、すぐに伝わる。真っ直ぐな筒に入れた玉が転がり、すぐに逆側の出口にたどり着くように。

 だから、王族の私の行動へ対し、要らぬ口を出した軍務大臣にはラインハルトお兄様から何らかの注意があるだろう。

 これから起こることは、単純なそういった流れ。

 とっても素敵な黒獅子の獣人の騎士団長様は、王家でも甘やかされている末姫のお気に入り。

 だから、人を育ちや性格などで安易に判断し、優秀な部下を平等に扱うことの出来ない器の小さな上司は、デュークには決して手を出さないで欲しいの。

 庶民出身の騎士団長様が冷遇されていたという事実なんて何も知らずに、ただ彼を慕ううら若き姫を演じた方が良いと判断したのならば、デュークを正当に評価して欲しい私はそうする。

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