重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~

27 修行


 私たちは陰ながら守ってくれる大勢の護衛のおかげで順調に旅を進め、目的地であるダムギュア王国へと辿り着いた。

 ここダムギュア王国では、ユンカナンの国内のように良く見掛ける獣人の姿を見ることはなかった。

 もしかしたら、どこかに住んでいたとしても、これでは日の当たる場所には出て来られないのかもしれない。

「……なんだか、嫌な感じね」

「それは、仕方ない。俺も上司からの命令でなければ、この国には来ていない」

 人の多いダムギュア王国の王都。大通りを歩く人々から白い目で見られようが、デュークの態度は泰然として飄々としたものだ。

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