重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「いいえ……私がもし、責めるべきだ思うならば、そういう考えを良しとしている教育をさせている人たちのことかしら。つまり、ダムギュア王国を支配する王族よ」

 国を治めているのは、王族だ。絶大な権力を持ち、国民は誰もが従う。

 王族が何のために居るのかと言うと、別に権力を自分勝手に振るい私利私欲のために贅沢な生活を国民にさせてもらうだけの存在ではない。すぐに革命が起きて首がすげ変わるだろう。

 だから、彼らの存在意義は税を納めてくれる国民を、多くの危険から守りより良い方向へと導くためだ。

「そういうこと……あそこに居た何人かの国民に対してそれはいけないと抗議をしたところで、何も変わらない。もし、アリエルが獣人への偏見を根本的に止めさせたいと思うなら、それをよしとしているこの国の上層部と先に話をするべきだな。そういった意味では、俺はあそこに居た人を責めたくはない。彼らの常識では、獣人を見れば不快感を抱くのが当たり前のことだから。だから、俺は仕事で必要なければ、ここに訪れることはなかった。お互いに不快な思いはするだろう?」

< 180 / 216 >

この作品をシェア

pagetop