重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 そして、お香が焚かれている香炉へと近寄り、近くにあった窓を開けてそれを外へと投げた。

「おい! お前、何をする!」

「せっかくこいつを……俺の家族の仇を、捕まえたってのに、邪魔しやがって!」

「女! 寝ていると思ったら舐めた真似をしやがって! 殺してやる!」

 口々に私を罵る彼らの言い分を聞けば、私にはデュークが狙われている理由をなんとなく理解することが出来た。

 彼らはデュークの初陣に居た敵兵の家族たちで、彼らにすべて仕組まれていたのだ。

「デューク! 私は大丈夫だから、早く逃げて!」

 私は窓から飛び降りようとして、誰かに腕を掴まれた。そして、部屋の中まで引き摺り戻されて、邪魔をしたと怒って興奮した誰かが投げたナイフが足を切って赤い血が散った。

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