重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「口を閉じなさい……エボニー、アイボリー。それが私の振る舞いに対する小言だと言うのなら、余計なお世話だわ。あのお方は、私にそうしろとは頼んでいない。何もかも、彼をお慕いしている私が勝手にしていることなの。もし、彼に私がしていることで、何か文句があるようなら……私の目を見て、直接言いなさい。ユンカナンの王族である、アリエル・ノイエンキルヘンに向けてね」

「……差し出がましい口を、出してしまいました。姫様。申し訳ございません」

「本当に申し訳ございません」

 最強の獅子獣人として知られるデュークは、王より獣騎士団の団長へと若くして抜擢された。

 けど、彼は庶民出身で貴族出身者が多い騎士団長として礼儀も何もなっていなくて、怠惰な性格的にも真面目な騎士団長であるとは言い難い。

 先の戦争で王より素晴らしい功績を認められ団長へと任命されてからずっと、彼の上司で軍務大臣に当たるヘンドリック大臣にはデュークが気に入らず好かれずに、意味のわからない嫌がらせを受け煙たがられていたようだった。

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