重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 国の利益を考えれば、今ダムギュア王国がユンカナン王国と事を構えて何の良い事もない。この前の戦争では大敗を期し、敗戦国として課せられた賠償金を支払わねばならないし、今では武力は圧倒的にユンカナン王国の方が勝っている。

 しかも、次なる戦争は王族の私を害そうとしたことが発端となるならば、ユンカナン王国だって舐められた真似を許す訳にはいかない。

 次は全面戦争になる可能性だってある。

 そんな不利な状況にあると言うのに、ルイ様は私におっとりとした優しげな笑みを見せた。

「ええ。そうですね。理由を知りたいでしょう。ですから、教えて差し上げましょう。そこの黒獅子に僕は親友を殺されたんですよ。身分はない騎士でしたが、僕にとってはかけがえのない存在で……ユンカナン王国に行った時に見て驚きました。強い強いと言われているのに、姿は痩せた長身の男だ」

「……戦争にはそういうことが付きものだと思うわ。それを言うならば、我が国に戦争を仕掛けなければ良かったのではないの? お父様を止めることは、貴方ならば出来たでしょうに!」

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