重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 やはり交渉道具にしようと命は助けていたらしい。私はほっとした。自分のせいで誰かが死んでしまったと思えば、あまり気持ちは良くないものだ。

「護衛騎士は、解放しても良いだろう。だが、黒獅子は駄目だ」

「あら。どうして?」

 私は内心とても焦った。実際のところ、私が自分の身を引き換えにしてでも、一番に逃がしたい人物がデュークなのだ。

「それは我が国で、獣人の研究をしている者どもが欲しがっている」

「……獣人の研究ですって? もしかして……」

 私はその時、あの謎の盗賊団がわかった気がしていた。獣人たちの能力を研究し、その上で利用しようとしているから……だから、あんな不完全な獣化をした人たちが居たんだ!

「さあ。アリエル姫が何を思いついたかは、それはわからないが……黒獅子は無理だ。引き渡す先が決まっている」

 淡々とそう言ったルイ様には、とりつく島もないようだ。

 デュークを、研究材料にするですって?

 殺される方がマシなような目に遭わされることがわかっている場所へ連れて行かれるなんて、

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