重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 ヘンドリック大臣がデュークに対し、様々な冷遇をしていたことを偶然知った私は、デュークにはこの国の王族の絶対的な庇護があると思わせたかった。

 好きな人を守るためだと言うのなら、私自身はいくらでも周囲に道化に見られようとも構わない。

 デュークの功績を並べて正当な抗議をしたとしても、頭が良い扱いづらい女だと思われ、王位を継承するわけではない私の今の立ち位置ではあまり良いことはない。

 それに、騎士団長が王族の姫のお気に入りなのかと、今と同じようなことを言われてしまうだろう。

 だから、どっちにしても、私には同じことが起こるのだ。

 家族総出で甘やかされているお姫様が、結婚前に素敵な騎士団長様へと少々懸想をしていたって。

 その後に私と結婚するはずの誰かだって、特に気にするような話でもない。

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