重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「滅ぼさない程度に、遊んでやれば良い。僕を怒らせるとどういうことになるのか。その身をもって知れとな」

 ニクスは黙ったままで、礼をして去って行った。彼に指令を下したので、彼が司令官となり、この任務を遂行する事になる。

 ニクスは有能だ。僕の言葉を完遂するだろう。

 アリエルも、もうすぐ帰るだろう。あの子も結婚したいと言い出すだろうし、僕もそろそろ適当な婚約者を見繕わなければならない。

 それにしても、前婚約者は最悪だった。

 まだ成人していないアリエルを心配している僕を批難し、自分だけを見て欲しいと言い出したのだ。ただ親に結婚を決められていただけの女に婚約しているというだけの理由で、何故僕が従わなければならないのだろうか。

 それは聞けないと言い出せば泣き出し、気に入らないなら婚約を解消しても良いと言っても泣かれた。

 こんな僕と結婚することが嫌ならば、辞退すれば良いのだ。彼女の代わりならばいくらでも居る。

 だから、僕も何度も言った。気に入らないなら、婚約者をそちらから辞めてくれれば良いのだと。

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