重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「お兄様! デュークのせいではないわ……私がいけないのよ。報告を聞いたでしょう? デュークは不在にする時に部屋から離れるなと言ったのに、私は……ルイ様なら大丈夫だろうとそう思ってしまったの。だから、デュークのせいではないわ……」

 必死に彼を庇う妹に、僕は大きくため息をついた。

 なるほど。部屋を不在にするが、自分が居ない間はここを離れてはいけないと言って出たのか。それを聞かなかった、妹が悪い。誘拐される訳だ。

 それでは、ここに居る彼が警備責任者であったとしても、過失を負わせる訳にもいくまい。

 妹に何かあればまた違った判断だっただろうが、何もないのだ。ここは許すしかあるまい。

 運良く妹に愛された男に、僕が何かをする訳にもいかない。

 妹には絶対に、嫌われたくはないからね。あの子以外には、なんと思われようと僕は別に構わないのだが。




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