重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~

04 実の兄

「……あら。お兄様。おはようございます。こちらにいらっしゃってたんですね」

「アリエル。おはよう。今朝の朝食の席には、珍しく現れなかったようだが」

 部屋に戻れば私の部屋でラインハルトお兄様が、優雅にお茶を飲んでいた。

 お互いに若い異性なのに勝手に部屋に入るなんてと思う人も居るかもしれないが、私は特に気にしない。

 ラインハルトお兄様は、たった一人の妹の意向を常に大事にしてくれる人だからだ。誰かに言えば驚かれるくらいに、無償の愛を延々と注いでくれる人。

 ラインハルトお兄様の姿を一目見れば、きっと誰もがこう思うはずだ。

————-『完璧な王太子』だと。

 光り輝くような金髪に、透明な清水を思わせる青い瞳。誰もがひと目見ればため息をついてしまうほどに、美しく整った容姿。

 ちなみに、お兄様は年齢が年齢であるにも関わらず女性を未だに虜にする父似で、私は亡くなった母似。

 私たちは完全に血の繋がった兄妹だけど、容姿は全然似てない。ちなみに腹違いの兄二人も、父似。兄三人は、良く似ている。

 私の兄ラインハルト・ノイエンキルヘンは母親が私が幼い頃に亡くなったのもあり、母の忘れ形見となってしまった私に対しやたらと甘い態度を見せる。義母セリーヌ様も、度々苦言を呈するくらいだ。

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