重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 あの時と同じように、私は彼の横で寝転がった。日当たりも良いし、芝生は温かくてぽかぽかしている。犬や猫はその家の中で一番快適な場所を知っているというけれど、デュークもそうなのかもしれない。

 これはもう、快適なこの場所で眠ってしまえと、誰かに言われているような状況だった。

「ねえ……運命の番が現れたらどうするの?」

 私はなんとなく、そう聞いた。けれど、デュークは寝ているし、答えが返ってくることをあまり期待はしていなかった。

「……獣人には、確かにそういう存在は居ますね。けど、俺には現れない気がします。俺には姫がいるんで、居たとしても出てこれないんじゃないですかね。多分」

 けれど、デュークはただ瞼を閉じているだけで、眠ってはいないようだった。通りの良い低い声でそう言えば、私は大きく息をついた。

「誰にも未来はわからないのに、ずいぶん断定的に言うのね」

 会うかもしれない誰かに会うことは、ないような気がすると言われても、私にはそれにどう返して良いかわからない。

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