重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 優秀な王太子として幼い頃より有名で、ラインハルトお兄様の治世は現王である父より安寧で盤石だろうというのが、大方の国民の予想だ。

 そういった訳で、妹の私はラインハルトお兄様の王太子の威光という後ろ盾を持って、この国の社交界だって簡単に牛耳ることも出来そう。

 実際には、私はあまり社交的ではない。だって、取り巻きの管理もとても面倒そうだし、向いてなさそうだもの。

「……ラインハルトお兄様。朝食の席に行けていなくて、ごめんなさい。朝、支度をしていたら夢中になってしまったの。いつもの時間には、とても間に合いそうもなくて」

 デュークに会うためのドレスをあれかこれかと選んでいたら、思ったよりも時間が経ってしまったのだ。

 遅刻すると思い朝食の場に行けなかった私が兄の隣の椅子に座り肩を竦めると、ラインハルトお兄様は何もかもわかっているとばかりに頷いて片眉を上げた。

「あのお気に入りの彼の所に行ったんだろう? 僕と血が繋がっていなければ、アリエルを僕のお嫁さんにしたんだけどね。君のことを世界で一番に愛しているという自覚はあるよ」

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