重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「僕の可愛い妹は……お気に入りの彼とは将来的に結ばれたいとは、望まないと?」

 これは、ラインハルトお兄様にはわからない感情なのかもしれない……私だって説明しろと言われても難しい。

 デュークが憂いなく幸せであれば良いと思うけど、別に自分と親密な恋人にならなくて良い。

 その方が……別れることもない。ずっと、好きで居られるもの。

「ええ。だって、私のような面倒な立場の妻が出来てしまえば、庶民出身の彼はきっと大変でしょう。だから、これは決まった婚約者が出来る前の、ただのお遊びのようなものです。本気にはなりません。お兄様も、どうか心配なさらないで」

 これ以上、周囲から妙な憶測を呼んだり無用な騒ぎを起こすつもりはないとはっきり言えば、ラインハルトお兄様は複雑そうな表情になった。

「そうか。お前がそうしたいと望めば、僕が叶えるだろう。アリエルは、自分のやりたいように生きれば良い。余計な心配など、何もしなくても良いんだ」

 そうは言っても、私は責任ある王族に生まれた一人なんです。

 この先、死ぬまで王家に縛られることになる、愛するラインハルトお兄様と同じように。


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