重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 私は彼の獣型をまだ一度も見たことはないけど、きっとこの世のものとは思えないほどに、美しい獣なんだと思う。でないと、人型がこんなに美しく整っているはずがないもの。

 獅子は怠惰な性質を持つ、最強の大型肉食獣。

 獅子獣人であるデュークは逞しい身体に纏っている、きっちりと着るはずの騎士服すらもダルそうに着崩して着ているんだけど……それすらも、なんだかもう素敵過ぎて……私はこうして彼をただ見ているだけで、胸がときめいてしまって堪らないのだ。

 団長職に相応しく大きな執務机の前にある椅子の背もたれに、完全に背を付けて腰掛け、彼はとてもとても長い足を組んでいた。

 悪い男のような気怠くも危険な雰囲気が漂っていて『俺には女なんて黙っていてもいくらでも寄って来るから別に』とでも言わんばかりの、とても余裕ある風情。

 ……キャー! もう、素敵過ぎる。

 私にとっての都合の良い妄想なども、そこには若干入っていることは認める……けど、デュークはただ座っているというだけなのに、おかしいくらいに格好良いの。

「デューク……好き」

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