重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 地方に多く住んでいる獣人は、この王都に住む数はあまり多くない。

 獣人たちはやはり獣の本能がそうさせるのか、群れを為して自然に近い場所に好んで居住することが多いからだ。

 王都生まれで城から出ることのなかった私には、あまり馴染みのない珍しい獣人だというのに、こうやって近くで見ても、全く嫌な気持ちなどはしなかった。

 むしろ、生涯添い遂げたい。

「お願いします。私と結婚してください。一目惚れしました」

「え。いや、あのさ。あんたは俺のこと、何も知らないのに。それは、流石に無理じゃない。それに、どう考えてもまだ結婚は出来る年齢じゃないよね? もっと大人になってから……もう一度言いに来て貰って、良い?」

「え。もしかして、私が大人になったら……結婚しても、良いの?」

 引き下がる気がない本気の私の言葉を聞いて、デュークは口を手で押さえて顔を赤くした。

「……その気持ちが結婚出来るくらいの歳になっても変わらなければ、俺は別に……考えても良いっすよ」

「じゃあ、約束ね! 貴方の名前を教えて。私、絶対に会いに行くから」

< 30 / 216 >

この作品をシェア

pagetop