重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「俺はデューク・ナッシュ。王都騎士団所属の、騎士。城門で俺の名前を言ってくれれば、連絡は通じる。あの、これ……もしかして……襲われてた時からの、なんか良く出来た詐欺じゃないよね?」

 そうして、私が意気揚々と自分の名前を名乗ろうとした時、困った顔で頭を掻いた彼の背後から、慌ててやって来た護衛に抱かれ、私はあっという間に連れて行かれることになった。

 驚いていたデュークは咄嗟に護衛の名前を呼んだ安心で弾んでいた私の声に、彼が知り合いだと理解したのだと思う。

 必死の形相をした護衛騎士に抱き抱えられて去っていく私の「デューク! 絶対に会いに行くから、待っててね!」に、苦笑しつつ手を振ってくれていた。


< 31 / 216 >

この作品をシェア

pagetop