重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 獣人で高い身体能力を持つデュークが壁を乗り越えて、この離宮の敷地へと入り込んでも、侵入者検知の魔法なんかには引っ掛からないのだ。

 それに、確かに……ここは、私の宮だ。

 デュークがこうして仕事をサボっていたとしても、万が一見つかっても、怒るべきなのは私なのだから、誰にも怒られることはない。

 こうやってデュークが仰向けで安心して寝ていることも、納得だわ。

 宮の主は彼のことが大好きなので、使用人に報告を受けたとて密告したりもしないものね。

 いつも私のことを迷惑そうにしてる癖にと、正直に言えば思ってしまうけれど。

 惚れてしまった弱みなので、こうして私の宮に来て警戒心なく眠っていることを知り悪い気はしていない。

 注意深くより近づいても、デュークは全く起きる気配はない。

 無防備に仰向けに寝ているし、お腹丸出しの状態だ。

 これって、もし誰かに刃物で刺されたらどうするの?

 そして、初めて見ることの出来たデュークの寝顔が、とんでもなく可愛過ぎる。

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