重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 獣人ということもあるのか野生味のある精悍な顔立ちのデュークは、いかにも王子様と言った繊細な美貌を持つ、私の兄たちとは全く違う魅力を持っていた。

 きっと、睨まれれば震えるほどに怖いだろうデュークが、こうして安心しきって寝ている姿なんてなかなか見ることが出来ない。

 口元がにやつき嬉しくなった私は出来心で眠っている彼の身体に、寄り添うようにして横になった。

 デュークがここに居る偶然に、私が散歩でもしようと思った偶然が重なるなんて……多分、一生に一度しかない。

 結構な間、私はとっておきの宝物を飽きる事なく愛でるようにして、デュークの寝顔を見つめていたんだけど、ポカポカとした陽気に眠りを誘われて、いつの間にか寝入ってしまっていたようだった。



< 37 / 216 >

この作品をシェア

pagetop