重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「ふふ。そうね。それでは、私はデュークになら食べられても構わないわ」

 微笑んだ私はあくまで自分なりの面白い冗談を言ったつもりだったんだけど、獣の姿なのに見るからに引いて困った様子を見せているデュークとは、心の距離がかなり開いてしまったようだった。

「……なんか、姫。それ。ちょっと怖いっす。俺への想いが、重過ぎって言うか……かなり病気っすよ。これまででも、言動が結構やばいんじゃないかと思ってはいましたけど。さすがに今の発言は、本気で心配になりました」

 デュークから完全に引かれていることに気がついた私は焦った。

「重い!? これって、重いの? ……えっと……でも、私はデュークに好きになって貰えないからと何か嫌なことをしたりすることはないから。ちゃんとわきまえるつもりよ。さっきのは、ただの冗談よ。そんなに引かないでくれると、嬉しいんだけど」

 必死の弁解の言葉に、デュークは首を傾げつつもゆっくりと起き上がった。

 身体を震わせた時に身体からはらりと落ちてしまうのは、きっと彼が獣化した時に千切れた衣服。

「……そうすか。俺は……なんか、この先の姫が心配っす」

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