重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「もう……ちょっとした冗談なのに。そうやって過剰に反応しないで欲しいわ」

 陽気に暖かくなっていたふわふわの緑の芝生の上に横になっていた私もデュークの動きに習うようにして上半身を起こした。

「俺、そろそろ帰るっす。どうもお邪魔しました」

「あら。デューク。人型にはならないの?」

 のそのそと歩き出した黒獅子は、壁に近い木の上へと飛び移ろうとしているのか狙いを定めているようだ。

「……諸事情で服が破れたんで、このままだと俺は全裸っすよ……俺は別に支障はないすけど、お姫様には刺激が強過ぎじゃないすかね」

「あら。そうなの? 私。男性の裸は、見慣れているから。別に平気よ」

 私が特に動揺することもなく平気だと伝えれば、黒獅子デュークは雷にでも打たれたかのように大袈裟に全身を震わせた。

「え……どっ。どういうことっすか? え。でも、姫って処女っすよね?」

 王侯貴族は初夜に夫となる人に嫁ぐまでは、処女であることが大原則だ。デュークは何をそんなに動揺しているのだろうと、私は本当に不思議だった。

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