重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 私を待っていたデュークはあっさりと部屋を出て、このまま裏門から出ようと手で示した。

「だって、デュークと初めてのデートだもの」

 城の中では、流石に王族の私の顔を知っている者も多い。デュークは歩きながら、私のマントに付いたフードを取って頭にさりげなく被せた。

「俺はお忍びの王族の護衛なんすけど。一応、これも重大任務の内のひとつっすよ。姫に何かあれば、俺たちは死んで詫びるだけでは終わらないので……絶対に勝手せずに頼みますから、俺たちの言う事を聞いてくださいね」

 デュークは聞き分けのない子どもに言い聞かせるようにして、そう言った。

 流石に命懸けで護衛してくれる彼らの言うことを、無視してしまう訳にもいかない。

「まあっ……! そんなこと。言われなくても、わかってるわ。もう、子どもでもないんだから」

「ははは。随分と可愛いこと言う大人っすね。姫って何歳になったんでしたっけ?」

「結婚適齢期で、既に成人した十八歳よ。デューク、結婚してくれる?」

「いや。俺は無理っす。姫の身分に釣り合うような、素敵で身分もあり金持ちの男性を探してください」

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