重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「アリエル様。そして、美しい侍女お二人も。おはようございます。毎朝のこととはいえ、今日もこうしてお会いできて実に光栄です」

「マティアス。いつも忙しそうね」

「いえ。仕事などどうでも良くなってしまうほどに美しい女性が揃うと、朝もより清々しく感じますね……団長。もしかしてお忘れかもしれませんが、アリエル様はユンカナン王家の姫君ですよ。そうやって、何もせずに座っていないで! 立って相応しい礼をしてください」

 副団長マティアスに態度を叱られたデュークは、もう一度先程と同じようにして大きなため息をつくと椅子から立ち上がり、姿勢を正すと胸に手を当て王族への忠誠を意味する礼をした。

 そして、忠誠を捧げる相手のはずの私から着席の許可を求めるでもなく、どかっと椅子に腰掛けた。

 そして、デュークはいつものように、再度無駄な抗議をすることにしたようだった。

「姫。あの、俺……見ての通り、仕事中なんすけど。俺でないと解決出来ないような急務がないようでしたら、ここからそろそろ出て行って貰っても良いすか? 邪魔なんです」

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