重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 彼らの子孫である私はそんな彼らに愛され生かされていることを、決して忘れてはならない。王都で生き生きとした人たちを見るたびに、私はそう感じていた。

 国民たちが笑顔のまま誰にも脅かされることがないように、先祖と同じようにこの国を守りたいって。

 そして、本日のお忍びは、特例中の特例だった。

 これまではお忍びとは言え、王族の一人の私の行く先は何度も慎重に検討されて調査されていた。

 そして、決められたルートに沿って動き、気まぐれや例外などは許されなかった。

 何故かと言うと、二年前悪戯心を出して護衛から逃げ出した私が危ない目に遭いそうだったことが今になっても尾を引いているからだ。

 ええ。そうなの。不便な処遇は、すべては、私の自業自得なんです。

 けど、今回は王族の警備責任者になれるぐらい地位も高く強さも折り紙付きのデュークがすぐ傍に居た。

 警備責任者だから当たり前なのだけど、彼さえ良いと頷けば、私は行きたい場所へと行かせて貰えた。

 しかも、私の正体を知らせてしまう訳にはいかないので、わかりにくく周囲を固める部下に小声で指示を出すデュークが格好良くて仕方ない。

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