重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 怖いと言われて流石に落ち込みしゅんとして肩を落としたら、これは言い過ぎたと彼は思ったのかもしれない。

 デュークは私の右肩へと大きな手を置いた。

「……いや、俺が少し言い過ぎました。すみません。けど、俺の顔を見るんなら、城でも出来るんで……せっかく来たんで、街歩きを楽しんでくださいよ」

「ええ。そうだったわ。デュークの言う通りよね……えっ!」

 私は彼の言葉に答えつつ目の前の光景を見てから、すぐに走り出した。

 だって、その瞬間にはもう既に一刻の猶予も許されず、すぐ隣に居たデュークと相談しようという気も起こらないくらいに、状況は逼迫して差し迫っていたからだ。

 小さな男の子が走っている馬車の前に飛び出し、跳ねられる直前だった。

 私は男の子の身体に向けて、懸命に手を伸ばした。なんとか、彼の小さな手をぎゅっと握った。

 そんな私のお腹の辺りに背後から力強い太い腕が周り、背後に引き寄せられ、そのお陰で男の子はすんでのところで車輪に巻き込まれることは避けられた。

—————轢かれそうだった男の子を、私ごとデュークが助けてくれたのだ。

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