重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 私だっていずれデュークのことを諦めねばならないことは、自分でも理解している。だから、そんな心配は杞憂だと言うのに。

 見返りを求めない愛という普通なら得難いものを教えてくれた彼には、とっておきの親切をしておきたい。

 後々『あの時に、こうすれば良かった』って、後悔してしまわないように。

「……ねえ。前から聞きたかったことを、聞いても良い?」

「どうぞ」

「……デュークって、そんなに綺麗な顔立ちをしているの。お父様お母様、どちらに似ているのかしら?」

 以前から聞きたかった私の質問に対し、彼は不意をつかれたのか。きょとんとした顔になった。

「俺がですか……? どうなんすかね。毛が黒いのは、単なる突然変異っす。白と黒は、一族でもたまに居るそうなんで。獅子の一族は元々一夫多妻だったって、姫は知ってますか? あ。それって大昔の話っすよ。今では、この国の法律に従い、ちゃんと一夫一妻ですよ」

「ええ。もちろんよ。私たち王族は、守るべき国民である人と獣人のことを真っ先に教育を受けるわ。それと、デュークが魅力的であることは、何か関係があるの?」

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