重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
「こうやって手放しで褒めてくれる姫と一緒に居ると、自分がとても特別な存在であるように思えて、なんだか気分良いっすね。一夫多妻が当たり前だったって言っても、一族の中で産まれてくる雌雄の数はそんなに変わらないすよね……この意味、わかります?」

 どこか試すような彼の言葉に、私はうーんと悩んだ。

「……雌に取り合われるような雄でないと、結婚出来なかった?」

 デュークは私の恐る恐る答えた声を聞いて、ははっと声を上げて楽しそうに笑った。

「これって、別に大事な試験でもなんでもないっすよ。質問されて答えるのに、そんなに緊張しないでください。まあ、でも……そうっす。姫の言う通り。そういうことです」

「まあ……」

「俺の先祖はそういう女に好まれるような男しか、子孫を残せなかったんでしょうね。一族を出れば、別の一族の中から番を見つけることも出来たんでしょうけど……俺たち獅子は怠惰な上に、同類にしか良く分からない説明のつかない高い矜持を持っています。だから、遺伝的にはそうなるのかもしれません」

< 69 / 216 >

この作品をシェア

pagetop