重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~

02 理由

 我らがユンカナン王国は、遠い遠い昔。

 言葉は通じていても話が通じない凶暴な蛮族や、恐ろしい魔物などの脅威に怯えていた一族だ。

 ある日、一人が力を合わせて互いを守る一国としての独立を宣言するために立ち上がった。

 そして、誰にも脅かされることのない国を共に創ろうと初代王が皆に呼びかけ、近隣に住んでいた多数の獣人の一族から協力を得ることが出来て、ユンカナン王国は建国されることとなった。

 そんな国のはじまりの経緯から、それぞれの領地を治める領主なども、元々その地を支配していた一族の長が、そのまま王より領主たる貴族として領地を与えられて叙爵されたらしい。

 特に建国時に忠誠を尽くしたという功労者で王家に重用されることとなった《三匹の犬》になぞらえた獣人の一族は、周辺国でも語り草になってしまうほどにとても有名だ。

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