重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 これは私にもわかっていることだけど、単なる自分勝手な周囲への忖度だった。

 周囲はこう思っているだろうと私は思って、一番に良い自分の立ち位置を作り上げたつもり。

「……ふーん。上流階級の皆様のお考えは、そうなんすかね。俺はそんな風には思わないっすけど」

「才知をひけらかすような優秀な女性は……男性には、あまり好まれにくいのではないかしら」

「それは、姫。絶対に違います。さっき、俺の獅子の一族の話は置いといて。ユンカナンの庶民であれば、夫婦が共働きすることが普通なんで、自分でも稼ぐことの出来る才覚のある女性が好まれるっす」

「けど、お淑やかな女性の方が、好かれるのではないかしら?」

「もちろん、大人しくて自分の言う通りに従う女性も好きな男は居るっすけど、それはそれでお互い好ましいと思えば、それで良いんじゃないすか。男女って、結局のところ、お互いの相性の問題だと思いますけどね。いろんな性格の人が居て、それはそれで良いんじゃないすか」

「自由で良いと思う……私も、窮屈な王族になんて、産まれたくなかった」

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