重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 今振り返って考えてみると、あのままでは俺以外の男性陣の怠け癖は、より酷いものとなり拍車が掛かってしまったことだろう。

 怠け癖がある奴が、より一層怠ければ何も出来なくなる。

 族長がいざと言うときに俺一人しか戦えなくなるだろうと心配したことは、もっともだった。

 村を出された俺は生きていく金銭を得るために何をするかと考え、町をフラフラとしていた。

 ふと目に付いた壁に貼られた、騎士学校へ通う候補生の募集広告を見つけた。

 ユンカナン王国では騎士と言えば高給を貰える職業だと有名だし、なんと言っても異性にモテると有名だ。

 若い頃の関心事の殆どは、異性からの関心を集める事だ。俺は即応募することにした。

 騎士学校は試験に受かり、入学するまでが難しいと言われている。

 しかし、広告を読んでみれば、なんと受験料が無料だった。

 運試しで受けてみるかと思ったところ、腕試しの勝ち抜き戦で優勝をしてしまった。なんと奇跡的に俺は学費免除特待生にて、迎え入れて貰えることになった。

 順調に卒業し騎士となり、新人の俺の初陣は小競り合いが延々続く隣国との戦争だった。

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