重いと言われても、止められないこの想い。~素敵過ぎる黒獅子騎士団長様への言い尽くせぬ愛~
 それほど必死な様子もないのに、さらっと優勝してしまうなんて。

——————本当に素敵過ぎる。

 私の隣に居るお父様も、目を掛けているデュークの活躍振りを見て、とても満足そうだ。

 そういえばお父様は、団長への任命式の時もデュークの事を気に入っている様子だったわね。

 あれだけの強い戦闘員を募集してたちまちに集めることなどは、決して出来ない。

 そして、デュークほどに単体で強い騎士が居ると国内外に噂になれば、小競り合いを仕掛ける敵国とて恐れを抱いてしまうはずだ。

 ……そうだ。

 団長に任命される理由となったデュークが大活躍したというあの戦闘から、そう言えば、敵国は小競り合いなども仕掛けて来てはいないらしい。

 それはもしかしたら、デュークという存在のせいだけではないかもしれないけど……。

 この前は、お兄様に「将来的に、彼と結ばれるつもりはない」とは言った。

 けれど、隣で満足そうに笑顔を見せるお父様ならば、優秀な騎士デュークに対し王族の私と添うために相応しい身分までも与えることが出来るのだ。

< 86 / 216 >

この作品をシェア

pagetop