本日はお日柄も良く、白い結婚おめでとうございます。
それは、私の人生で一番の晴れの日になる予定の日だった。

「ご結婚、おめでとうございます。ニコル様。ドレスも似合われて、とってもお綺麗です! 今日は本当に良いお天気で、晴れた青空もお二人の明るい将来を喜ばれているかのようですね」

 にこにこと微笑む彼女につられて空を見上げた私は、太陽の明るい光に目を細めた。

「あら……そうかもしれませんね。ありがとうございます」

 何年かぶりに会った貴族学校の同級生に、結婚祝いの言葉を貰い『私の白い結婚にお祝いの言葉、ありがとうございます!』と、心の中で大きな声で叫んでいた。

 周囲はこんなにも喜ばしいと、思ってくれている。身内ならば尚更だろう。私の両親は涙して参列者にお礼を言っているようだ。

 ……まさか、娘の私が今から夫に愛されることのない事が決定した『白い結婚』を。本日することになったなんて、思ってもいないはず。

 今も隣に、仏頂面で佇んでいる新郎。金髪に緑の目と整った顔立ちの長身男性。裕福な公爵家の当主として、貴族令嬢に人気の貴公子であった彼。

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