どーる
18歳で銀行に就職した。高校の担任は地元の国立大を奨めたが知ったこっちゃない。教職に就くようなタマじゃないしね。第一、汗くさいキャンパスで子供じみた夢を語ってどうするのだ。無機質なコンクリートに囲まれ、どこか冷たい瞳を持つ銀行カウンターの向こう側に入れば、小銭を持ってウロウロする人間を観察できるではないか。まさに高見の見物ってやつ。ビジネスライクな笑顔でせせら笑ってやる。