時の思い出
「あたし怖いの。
勇気が出ない。
行きたいのに行けなくて。
もうどうしたらいいのかわからないよ。」


声が震えた。

理彩がさりげなく肩を持ってくれながら、


「美希、怖いならあたしも行くよ。一緒に行こう。
このままなにもわからないまま終わっちゃうなんて嫌でしょ?
ちゃんと自分の目で確かめて話そうよ。」


理彩はなんていい子なんだろう。


あたしはなんていい友達を持ったんだろう。

「うん。ありがとう」



この言葉を言うだけで精一杯だった。
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