殺し屋たちの異世界転生
「…人間界……。」
 という名前らしい。

「…いやちょっとまって!?人間界って…私、人間だよ!?」
「あ、私も人間よ」
「わたしたちの世界も人間界だったってこと…?」

『ここの人間界は人間しかいないのだ。』

「……?」

『例えばルーナ』

「は、はいっ」

『お前には猫耳があるだろう?エルフのアリアもだな。お前らの世界にはそういう奴がたくさんいるだろうが、人間界は至って"普通"の人間しかいない』

「普通……」

『アリア、ルーナ、自分の耳を触ってみろ。先程服が変わったときに通常の人間と同じ姿にした』

「ほんとだ…短くなってるわね」

「猫耳……」

 ルーナがちょっと悲しそうな顔をする。かわいい。

『そして当然、殺し屋も魔法つかいもいない』

「じゃあ、向こうの世界のあたしたちの能力はここではどうなるんですか?」

 たぶん、能力、というのは魔法とかそういうのだ。

『それはだな……なぜかそのまま使えるんだ』

「やったー!」

『おいラナ。やったー!ではないんだ。お前らの力はこの"人間界"の奴らの軽く3、4倍はあるからな。やり過ぎて驚かれないように』

「3、4倍……。体育の授業の時間とか気をつけた方がいいってことかしら」

『ああ。クレアのいう通りだ』

「なるほど……意外とめんどくさそうね」

『まぁがんばるんだ。』

「がんばります…!」

『じゃあなー』

「レオさんばいばーい!」

 私たちは歩き出す。

「ラナ、レオさんに対してそんなばいばーいって言い方…」
「ねぇまずどこ行く?」
「聞いてないし…」
「あたしはまず家だと思うけどどう?」
「あっ家!いいと思います!!」
「おっけーラナもまず家でいいわよね?」
「うん!」


 楽しくおしゃべりをしながら家へ歩く姿は、周りから見ればごく普通の女子高生4人組だ。
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