【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!
○婚約者様、嫌われ作戦を実行します。

純粋な婚約者様。


 
 翌日目が覚めたのは、朝の九時ごろだった。 

「さむっ……」

 二月に入り自由登校になっている私は、学校がある日以外はずっと家や図書館で勉強をしていた。
 今日も図書館へ行こうと準備していた時、家のインターホンが鳴り響いた。

「はーい」

 朝から誰だろう……? 宅配便とかかな?
 母も父も仕事でいないから、今は私一人だ。

「どちら様でしょうか?」

 インターホンを覗いてビックリした。

「えっ!?」

 な、なんで……!?  

「リオル様、おはようございます」

 インターホン越しに映っていたのは、ミツキさんだった。

「どうして……?」

「リオル様にお会いしたくて来てしまいました」

 ミツキさんがそう言うから、私は「私に……会いに?」となってしまう。

「リオル様、中に入れて頂けますか? お土産をお持ちしました」

「……どうぞ」
 
 私はミツキさんを家に上げることにした。 ケーキの箱らしきものを持っているようだったのと、寒さの中来てくれたのだからと。

「リオル様、お会いしたかったです」
   
「……どうぞ。今お茶淹れますね」

「ありがとうございます」

 リビングにミツキさんを通すと、ソファに腰掛けるように促した。

「ミツキさんって、王子様みたいだな」

 紳士的な感じはやっぱりする。
 お茶を淹れ、ミツキさんから頂いたケーキをお皿に乗せてリビングへと運ぶ。
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