【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!
そんな真剣な眼差しを向けられたら、何を言えばいいのかわからなくなる。
「僕はあなたの婚約者として、あなたを今後守り続ける義務があります」
「そ、そんなこと、言われても……」
そんな私の隣に移動してきたミツキさんは、私の手を握りしめる。
「リオル様」
優しく名前を呼ばれただけで、なぜかドキッとする。
「は、はい……?」
「僕はあなたとの結婚が運命だと思っています。あなたと結婚することで、僕は幸せになれると感じています」
その言葉はまるで、愛の告白みたいな感じにも思えた。
「結婚って……好きな人とするものですよね? 好きでもない相手と結婚しても、意味がないと思います」
私がそう言ったら、ミツキさんは「僕はリオル様のことを愛する自信なら、ありますよ?」と微笑みを浮かべる。
「……え?」
「僕の婚約者になった時点で、僕はあなたを愛することしか考えていません。……だから僕は今まで一度も、誰ともお付き合いをしたことがありません」
ミツキさんの意外な告白に、私はビックリして「えっ……? 一度も、ですか?」と聞き返す。
「一度もです。 告白をされたことはありますが、結婚の約束をしている人がいるからとお断りしていましたので」
「そうなんですか……?」
ミツキさんみたいにカッコイイ人なら、女性が寄ってくるのもわかる。
ミツキさんは世間一般からしたらカッコイイ人だという認識だからだ。 ミツキさんはイケメンであることに変わりない。