【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!


「本当ですか? 嬉しいです」

「制服でもいいですか?」

「もちろんです。むしろ、制服姿も見たいです」

 なんて言われて、私はついミツキさんがカワイイと思ってしまった。
 ……ダメよ、ダメ。ミツキさんに流されちゃダメよ、リオル! しっかりしてっ! 

「どこに集合にしますか?」

「じゃあ……駅前のカラオケボックスでもいいですか?」

「カラオケですか? 喜んで」

 そう、なぜカラオケにしたのかというと……。私はものすごく歌が下手なのだ。
 音痴にもほどがあるというくらいに、歌が下手なのだ。 だから歌が下手だとわかれば、嫌われるかもしれないと考えたのだ。
 歌が下手なのであまり歌いたくはないが、婚約破棄をするためにがんばるしかないっ!

「じゃあ、また明日です」

「はい。おやすみなさい」

 電話を切った私は、カラオケで何を歌うか考えていた。 歌が下手なのをここで晒すなんて……と思っていたが、嫌われるためには仕方のないことだ。
 意地を捨ててでもやらなければ、私は婚約破棄が出来ない。

「……よし、頑張って嫌われよう」

 婚約破棄をして、なんとしても結婚を阻止してやるわ。
 待ってなさい、ミツキさん。私をとことん嫌って……!

 私は明日に備えてお風呂に入ることにした。そしてお風呂の中で歌の練習をしたが、やはりの音痴ぶりだ。
 これなら嫌われること間違いないと、その時は確信していたのだが……。



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