【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!


 ところで次の嫌われ作戦は、どうしよう。 やっぱり彼氏がいる的なことなら、嫌われてくれるのだろうか?
 だって彼氏がいるから結婚出来ないって言えば、諦めてくれるのではないかと思った。
 
「彼氏役……を誰かにお願いする?」

 でもな……。誰がいる?

「いやいや、それで諦めてくれるとは思えないな……」

 単純にもっと簡単に諦めてくれる方法を考えないと、だよね。
 でも結婚出来ないってストレートに言っても意味がなかったしな……。

「どうすればいいんだろう」

 嫌われ作戦を考えているうちに逆上せそうになり、お風呂から上がった。

「あらリオル、お風呂入ってたの?」

「うん、おかえりママ」

「今日ミツキくんとのデート、どうだった?」

 母にそう聞かれて「えっ? 別に普通だよ」と答えたけど、母は「あら、顔が楽しそうって言ってるわよ」と微笑んでいた。

「もう、うるさいな」

 私は「おやすみなさい」と自分の部屋に戻った。

「あら、顔が楽しそうって言ってるわよ」

 ママはさっきあんなことを言っていたけど、本当にそんなこと……ない?
 でもなんか、思い出したら笑ってしまっていた気がする。

「……考えるのはやめよう」

 ドライヤーで髪を乾かしていると、スマホにメッセージが届いた。

【今日はとても楽しかったです。またデートしましょう】

 ミツキさんって高校卒業の試験パスするくらいだから、めっちゃ頭いいんだよね。……羨ましいな。
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