【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!
「今日はごちそうさまでした」
「ううん。来てくれてありがとう、ミツキくん」
フルーツタルトもしっかりと食べ終えた後、ミツキくんは帰る為に玄関に出た。
「……リオル様」
真剣な眼差しを向けてくるミツキくんに、私は「ん……?」とミツキくんを見る。
「リオル様、僕はリオル様が大好きです」
「……え?」
突然の告白に、私は目を見開く。
「リオル様が僕のために作ってくれた料理も、一緒に行ったカラオケも、一緒に食べたパンケーキも。僕にとっては全て、リオル様との思い出です。……僕はそんなリオル様が、大好きだと確信しました」
「ミツキ……くん?」
思わぬ告白に、どんな反応をすればいいのかわからなかった。
「リオル様、僕はリオル様と過ごす日々がとても大切です。 だからこれからも僕との思い出、作ってくださいませんか?」
「えっと……」
「僕にはもう、リオル様しかいません。……僕にとってリオル様は、宝物です」
宝物……? 私が……?
「リオル様、僕を婚約者に選んでくださったこと、感謝しています。……ありがとうございます」
ミツキくんに手を握られた後、ぎゅっと抱き寄せられた。
私はミツキくんの優しさに胸がギュッとなった。
「……大好きです、リオル様」
ギュッと抱きしめられた私は、無意識にミツキくんの背中に腕を回してしまっていた。
「ミツキくん……っ」
なんで私、こんなにドキドキしてるの? どうして……?
なぜか自然に嬉しいとさえ思ってしまった。