【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!


「でさ、デートの件なんだけど」

「デート?……あ、うん」

 彼氏のフリをする代わりにデートをするって言うアレだよね?

「俺、お前と一緒ならどこでもいいんだけど。どっか行きたいとこある?」  

「そうだな……。シズルくんは、行きたいとこないの?」

 少し考える素振りを見せたシズルくんは、「リオルとならどこでもいいけど、アイツに邪魔されないとこかな」と答えた。

「それって、ミツキくんのこと?」

「アイツ、いけ好かねえからな」

「……とりあえず、考えておくね」

 シズルくんは友達に呼ばれてしまったのか、「じゃあな」と教室から出ていってしまった。   
 ミツキくんのこと、いけ好かないって言ってたよね?
 たしかにシズルくんもミツキくんもイケメンなのは間違いない。 二人とも違うかっこよさがあって、違う男らしさがあるし。

「彼氏……か」

 シズルくんが彼氏なら、きっと嬉しい子いっぱいいるだろうな。
 シズルくんみたいにカッコイイ人と付き合えるなら、みんなきっと幸せだよね。  
 ミツキくんはとにかく優しくて、私を褒めるのが上手で……。私をドキドキさせるのが上手い。

 母にこの前「ミツキくんみたいな人が婚約者で良かったわね、リオル」と言われたけど、恋愛と結婚って違うんだよね。
 私はまだ十八だし、結婚なんて早すぎる。 じゃなくたって、私は恋愛すらまとまにしたことがないというのに……。
 いきなり結婚だなんて、飛び越えすぎる。
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