【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!
やっぱりちゃんと恋愛をしてからじゃないと、結婚ってものに行き着かない。
いきなり恋愛をすっ飛ばして結婚なんて、違う気がする。
シズルくんとミツキくんは正反対だし、私にとってシズルくんの方が馴染み深いのはそうで。
ミツキくんとはまだ出会って一ヶ月くらいしか経ってない。いきなり婚約者ですと、言われてもすぐに受け入れられる訳なんてないし。
そもそも結婚とは……?という疑問しかなくて、恋愛と結婚の違いすらわからない私にとって、結婚なんて未知の世界すぎる訳で……。
卒業式が終わった生徒たちがみんなで写真を取り合ったりしている中、すぐ近くで「リオル様」という声が聞こえてきた。
「えっ、ミツキくん!?」
「ご卒業、おめでとうございます」
花束を持ったミツキくんが、私の元へ歩いてくる。
「あ、ありがとう」
イケメンなミツキくんはみんなの注目の的になる訳で、「誰!?あのイケメン!」とか「カッコよくない!? モデルみたいっ!」などという声が周りから聞こえてくる。
「制服姿も今日で見納めですね」
「そ、そうだね」
なんか、めっちゃ見られてるんだけどっ……!?
多分注目の的になっているのは私ではなくてミツキくんなんだけど、なんだかすごく恥ずかしい気持ちになる。
「リオルの彼氏かな!?」
「えっ!やっぱりそうなのかな!?」
「あんなイケメンの彼氏がいるとか、羨ましいんだけどー!」
「ねえー!」
そんな声が聞こえてくるから、一刻も早くここから出たい気持ちになってしまう。