【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!

ウソを付いてごめんなさい。あなたが大好きです。

* * *



「リオル、卒業おめでとう!」

「卒業おめでとうございます、リオル様」

「ありがとう」

 ママとミツキくんがお祝いをしてくれた。 パパは仕事で少し遅くなるとのことで、まだ帰ってきていない。

「リオルもついに卒業ね。早かったわね」

「うん」

 ママがここまで育ててくれたから、私はがんばってこれた。

「ところでリオル?」

「なに?ママ」

 紅茶を飲んでいると、「あなた、いつミツキくんと結婚するの?」と聞いてくる。

「えっ?」

「もう卒業したんだし、早く結婚したら?」

 母には結婚したくないことを言ったけれど。そもそも、また結婚を白紙にしたいと言ったら、母はなんて言うだろうか。
 
「そのことなんだけどね、ママ……」

 口を開いた瞬間、ミツキくんが「お母様、リオル様と結婚はまだ先です」と遮ってしまった。

「え……ミツキくん?」

「どういうことなの?リオル」

 母の問いかけに、ミツキくんは「僕から説明させてください」と母に伝えた。

「僕はたしかにリオル様の婚約者と決まってますが、よく考えたら僕たちはお互いのことをよく知らないので、もっとよくお互いのことを知ってから結婚したいと思っています。 実はリオル様とも、ずっとその話をしていまして」

 その話の後、母は「あら、そうなの?……まあでも、お互いのことを知るのは大切よね」と微笑んだ。
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