【完結】私に許嫁なんていません! 結婚なんてお断り致します!


「え……?」

 婚約者を決めるためのパーティー……? それが、本当の目的だったってこと?

「そのパーティーのルーレットで、あなたが回したのは将来の結婚相手を決めるためのルーレットだったのよ。 そのルーレットは子供たちが回す決まりになっていてね、止まった所の景品もらえるというルールになっていたの。……でもそれは、表向きのルールだったの」

「表向きの……ルール?」

 ママに言われていることはなんとなくはわかる。全部を理解した訳じゃないけど、言っていることはわかる。

「本当のルーレットの意味は、婚約者を決めるために回すルーレットだったの」

「……どういうこと?」

 じゃあ私が回したルーレットで決まった婚約者っていうのが……ミツキさんってこと?
 そのルーレットで決まった相手と結婚するなんて……そんなのある?

「そのルーレットの裏には、婚約者の名前が書かれていたのよ。 あなたはミツキくんの名前が書かれたルーレットを当てたの」

「そんな……」

 ミツキさんが許嫁になることを、私自身が決めたってこと……?
 五歳の時に、すでに決めたってこと……?

「あなたが十八歳になったタイミングで話そうと思ってたの。 本当は今日、それをあなたに話そうと思ってたんだけどね」

「ていうことは……ミツキさんを婚約者にするって決めたのは、私?」

 ママは私の問いかけに「そうよ、あなたよ」と答えた。

「……ママの話はわかった」
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