クリスマスイブ
「今に見てなさい。

今度こそバラバラにしてあげる」

加奈子はそうつぶやくと、両手で鉄棒を握りしめ、大きく振りかぶった。

女は高い鼻をしていて、冷たく微笑んでいた。

大きな胸の膨らみが赤いコートの上からでもわかった。

「畜生」

加奈子は叫ぶと、一瞬の躊躇も無く、鉄棒を打ちつけた。

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