クリスマスイブ
男は作業着を着ていて頭にはタオルを巻いて、凍えるような寒さなのに顔には汗をかいていた。

「あの女がむかつくのよ」

加奈子は吐き捨てるように指を差して言った。

男はショーウインドウを見上げて

「そうかあ、良い女じゃねえか。

若いし背が高いし」

と言った。

「そこがムカつくのよ。

マネキンのくせに私よりも高価な服を着て偉そうに。

だから、私がバラバラにしてやるの。

息の根を止めてやるの」

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