クリスマスイブ
男は声を出して笑った。

「おまえ、すごいこと考えるな。

でも、勘弁しろよ。

これは俺が作ったんだぜ。

あのマネキンは俺の彼女みたいなもんだ。

それに、おまえにバラバラにされなくても、今日までの命なんだ。

今日でクリスマスも終わりだろ。

明日からはこのショーウインドウもお正月仕様って訳だ。

あと一時間の命なのさ。

もう、このマネキンに着せる服は無いんだ。

バラバラにされる。

スクラップになるんだ。

だから、勘弁してやれよ。

君は明日も生きてるんだろう?」

加奈子はウインドウの中の女を見つめた。

そして少しだけホッとした。

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